Play Optimal Poker2~range construction~を読んだ感想

前回読んで非常によかった「Play Optimal Poker」の続編が出ました。

値段が前作が1000円(Kindle版)だったのに今作はなんと4000円…。

高いなーと思いつつ、サブタイトルがrange construction「レンジの構築」だったのでこれは絶対読まなきゃと思って読むことに。

前作を読んだ感想はこちらの記事をどうぞ。
GTOのなぜとExploite戦略が学べる「PLAY OPTIMAL POKER」レビュー

あと最近ニキさんがnote書いてるのでこちらもどうぞ。
【読んでみた】『Play Poker Optimal』でGTOの概念を吸収!①


Play Optimal Poker 2: Range Construction (English Edition)

Play Optimal Poker2の前作との違い

前作が抽象的でページの大部分がトイゲームで占めてたのに対し、Play Optimal Poker2はより実践にフォーカスしてます。

最初に前作では1ストリートしかなかったトイゲームの2ストリートバージョンが出てくるんですが、抽象的なのはそのトイゲームだけ。

このトイゲームで前作ではなかった2ストリートのときにバリュー・ブラフ比がどうなるかとか説明してます。

そのあとは全部実際のNLHのハンドを例にしてレンジの構築の仕方をひたすら解説してます。

Play Optimal Poker2を読んでわかること

ストリートが増えることによるレバレッジ効果

1ストリートのとき=リバーでのブラフはバリューより多くなることはないけど、2ストリートのとき=フロップやターンではブラフがバリューより多くなる理由をトイゲーム(AKQゲーム)を使って説明してます。

ストリートが増えれば増えるほどポラライズレンジの効果が増す、というのが印象的でした。

レンジを構築するときの考え方がわかる

お互いのプリフロップのレンジを考えて

  • エクイティアドバンテージ(レンジアドバンテージ)はどっちにあるか?
  • ナッツアドバンテージはどっちにあるか?
  • どっちのレンジがポラライズされてるか?コンデンスドか?

などの質問に答えて、どういう戦略をとるかを考えます。

すべてがそうとは限りませんがエクイティアドバンテージがあるときはレンジベット、ナッツアドバンテージがあるときはポラライズレンジでベットとチェックなど。

GTOのアクションの背景がめっちゃわかる

先ほども言った通りPlay Optimal Poker2は大部分が実際のホールデムのハンドを例にしてます。

そしてメインで取り上げてるフロップはなんとたったの2つ。

Kd8d8cと9h7d6h

  • Kd8d8cは9MAXのEP vs BBのEP側とBB側のフロップ・ターンの戦略
  • 9h7d6hは同じく9MAXのEP vs BBのEP側とBB側のフロップ・ターンの戦略

でそれぞれ数十ページも割いて一つのフロップでのお互いの戦略を詳しく解説してます。

数十ページも何を書いてるのかというと

  • バランスのいいフロップのレンジを構築するプロセス
  • ターンのカード毎に戦略がどう変わるか
  • 相手がGTOと違うプレイをするときにどうエクスプロイトするか
  • それがなぜそうなるのかのGTO的な背景の説明

などです。
 

あとは最後に少しだけJs8d6dのEP vs BTNも出てきますが、上2つと比べるとページ数は少ないです。
 

個人的に勉強になったのは

  • ボードがダイナミックかスタティックか(変化しやすいかしにくいか)による戦略の変化
  • ベットサイズの決め方(ナッツアドバンテージやレンジアドバンテージ、バリューターゲット等を考慮して決める)
  • ターンは自分に有利なカードが落ちたからといってベット頻度が上がるわけではないこと
  • オーバーベットは自分に不利なカードが落ちたときに打つことが多いこと
  • SPRの変化による戦略の変化
  • IPとOOPでの戦略の変化(IPはベットが多くなってOOPではチェックが多くなる理由)
  • ウェットなボードでベットしすぎる相手へのエクスプロイト戦略

こんな感じでした。

GTOのアクションの背景がわかって座学の効率が上がりそう

今までハンドレビューするときに時々Pio使ってたんですが、なぜPioが特定のアクションをするかの理由がわからないことは多々ありました。

もちろんこの本を読んだだけでGTOのすべてがわかったわけではないので今後もわからないことはたくさんあると思いますが、わかる部分がだいぶ増えたと思います。
 

Play Optimal Poker2では主にEP vs BBでのEPに有利なボードでのプレイ・BBに有利なボードでのプレイを詳しく学べましたが、今後自分で他のシチュエーションをPioで分析することで新しいことが学んで行けそうです。

座学のレバレッジが効きそうですね。
 

値段は高いですが値段分の価値はあったと思います。


Play Optimal Poker 2: Range Construction (English Edition)

 

Play Optimal Poker読んでる人は前作がよかったから2も買ってる人が多いみたいですが、まだ読んでない人はとりあえず前作から読んでみることをお勧めします。

「PLAY OPTIMAL POKER」レビュー